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超硬スラッジに対応しているクーラントろ過装置の特徴と、取り扱いメーカーについてまとめました。
スタイリッシュな筐体に、2本の超精密ろ過フィルターを搭載した装置。内・外圧式フィルターの長所を兼ね備えており、高性能ファイバー濾紙を採用することで微細なスラッジのろ過を実現しています。
1~3本と、搭載フィルター本数の異なる3つのバリエーションを用意。コンパクトなフィルター1本タイプから、大容量に対応できる3本タイプまで、工作機械・使用環境に応じて適切な装置を選ぶことができます。
本社所在地 | 愛知県名古屋市緑区鳥澄2-103 |
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電話番号 | 052-624-8481 |
公式HP | https://www.smk-web.co.jp/index.html |
内圧式フィルターを採用した装置で、ペール缶に収まるサイズのコンパクトなフィルターを搭載。限られたスペースでも、比較的容易に導入できます。フィルター内のスラッジは簡単に排出できるようになっており、メンテナンスの手間を軽減。
さまざまな工作機械に対応した、タンク据え置き型のろ過装置。小~中容量のタンクに適したサイズとなっています。キャスターが付いており、移動も簡単。
本社所在地 | 京都府京都市伏見区深草西浦町7-7 |
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電話番号 | 075-643-3201 |
公式HP | https://www.keg-keijikousan.com/ |
スプリングフィルター・脱水機・パウダー投入機・サイクルプレコートシステムを組み合わせた全自動のろ過システム。沈殿しにくいセラミック超硬等のスラッジも効率よく回収できるようになっており、加工精度の向上・工具や機器の長寿命化に役立ちます。
NC逆洗フィルタを採用しており、1μmの超硬・ハイス鋼・セラミックなどのろ過に対応。ろ過助剤を使用しないため、リユースできる有価物を容易に回収できるようになっています。
本社所在地 | 神奈川県川崎市高津区久地843-5 |
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電話番号 | 044-833-1121 |
公式HP | https://premium.ipros.jp/nikuni/ |
超硬・セラミック・シリコン・石英ガラスといった、スラッジの分離と排出を全自動で行える遠心分離機。遠心力は最大2,000Gとなっており、効率のよい分離を実現しています。
本社所在地 | 東京都中央区日本橋蛎殻町1-10-1 ゲーテハウス株式会社内5階F |
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電話番号 | 03-6264-8575 |
公式HP | https://www.rokaseiko.com/ |
テトロンやレーヨンを用いたパルプによるフィルターで、超硬・セラミックスなどのろ過に対応。ろ過はもちろん、油分もしっかり吸着するため、清浄な状態のクーラント液を維持するのに役立ちます。
超硬・セラミックス・研削のクーラント液のろ過に適した装置で、機構がシンプル。故障しにくい設計です。種類豊富なフィルターのラインナップで、さまざまな液体のろ過に対応しています。
本社所在地 | 大阪府富田林市錦織北3-2-40 |
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電話番号 | 0721-25-1330 |
公式HP | https://tosepa.co.jp/index.htm |
ろ布の上にろ過助剤をプレコートし、加圧ろ過を行うプレコート式精密ろ過装置。ミクロン単位のスラッジを捕捉・分離でき、瞬間逆圧洗浄方式で効率のよいろ過クリーニングを行えます。
本社所在地 | 神奈川県川崎市中原区上丸子八幡町1485 |
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電話番号 | 044-433-4451 |
公式HP | http://www.sankyogiken.co.jp/ |
超硬・セラミックのスラッジを、1パスろ過できる超精密ろ過装置。1μフィルターを採用することで、NAS5等級相当のろ過を実現しています。水溶性だけでなく、油性のろ過装置もラインナップしています。
ろ過助剤を使わず、超硬・セラミック等の高精度ろ過を実現。KAMOGバクテリア抑制器を搭載しており、タンク内を清浄に保ってニオイなどの発生を抑えます。
本社所在地 | 京都府京都市伏見区竹田田中宮町78 |
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電話番号 | 075-605-3123 |
公式HP | http://www.kamog.co.jp/ |
表面磁力9000ガウスと、高磁場を発生させられるマグネットドラムを搭載。超硬工具研磨加工などの磁化されにくいスラッジや、ラップ加工・ホーニングなどの微細スラッジの回収にも効果を発揮します。
本社所在地 | 岡山県倉敷市玉島乙島8230 |
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電話番号 | 03-6737-2556 |
公式HP | https://www.shi-ftec.co.jp/ |
超硬・アルミニウム・セラミックスといった、非磁性体加工液に対応。独自のスプリングろ材で、安定したろ過を実現しています。ろ過筒内の液を使って逆洗を行うことができ、ろ材の長寿命化を図れるのも特徴。
超硬・カーボン・アルミといった、非磁性体の除去に役立つろ過装置。フィルターにろ過助剤をコーティングするプレコート式となっており、ろ過精度を向上させることでスラッジによる目詰まりを緩和します。
本社所在地 | 愛知県小牧市上末字雁戸嶋1857-1 |
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電話番号 | 0568-72-5031 |
公式HP | http://mitaka-ind.co.jp/ |
ユニマグテックが扱っているキャンドルフィルターは、超硬合金専門のろ過装置です。長期間に渡ってろ過精度1µmを維持でき、メンテナンスの手間がかからないのが特徴。高純度で取り出せるスラッジは、高価な資源としてリユースできます。
本社所在地 | 愛知県名古屋市名東区上菅1-613-1 |
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電話番号 | 052-777-8247 |
公式HP (※2024年2月現在、公式が閲覧できない状態です) |
https://unimagtech.jp/ |
超硬研磨で発生するスラッジを専用のバッグフィルターで除去し、切削油や洗浄液の寿命アップ、スラッジによるトラブルの軽減に貢献するクーラントろ過装置です。消耗品はフィルターのみのため、コストを抑えられるのもポイント。デモ機も用意されており、使用感を確かめたうえで導入を検討できます。
本社所在地 | 神奈川県横浜市都筑区佐江戸町2249 |
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電話番号 | 045-942-4100 |
公式HP | https://www.junshow.net/index.html |
サイクロンフィルター アポロSは、磁性体・非磁性体を問わずに幅広く使用できるサイクロン式の2次ろ過装置です。細かい切粉やスラッジの除去にも対応。摩耗対策としてドレン部交換式を標準化しているため、硬質材のスラッジでドレン排出部が経年摩耗した場合でも、部品を交換すれば長く使用できるのが特徴です。
旧型のろ過精度・消泡機構はそのままに本体を小型化しており、供給ポンプのモーター容量の縮小を叶えています。また、カートリッジフィルターやペーパーフィルターなどの消耗品を使用する必要がないので、フィルター処分のコストや手間を抑えられます。
本社所在地 | 東京都品川区大井1-34-8 |
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電話番号 | 03-3778-2061 |
公式HP | https://www.bunri.com/ |
超硬スラッジは、超硬合金を加工する際に発生する切粉や削り粉です。ちなみに超硬合金とは、高硬度の金属炭化物の粉末を焼結して作った合金のこと。焼結は、金属やセラミックスの粉末を固めたものを溶けない温度で加熱し、焼き固める技術を指します。
超硬合金はダイヤモンドに次ぐ高い硬度を持っていることから、切削加工では加工が難しく、研削加工や放電加工を用いるのが基本です。
超硬合金は炭化タングステンの粉末を用いて製造されています。超硬合金の加工で発生する超硬スラッジにもタングステンが主に含まれており、その粒経の小ささから一般的なろ過方法では回収が難しく、珪藻土(シリコン)やパルプを用いてろ過するのが特徴です。一方で、シリコンを多量に含んだ超硬スラッジはリサイクルが困難なため、産業廃棄物などとして処理しなければいけないという問題を抱えています。
超硬スラッジに含まれるタングステンは、レアメタルと呼ばれる希少な金属の1つです。タングステンは切削工具や機械部品、電極材、放熱材など幅広い産業分野で使用されている一方で、埋蔵量に地域的な偏りがあり、供給が不安定なことが課題となっています。
日本の製造業の国際競争力を維持・強化するのにもレアメタルの確保が必要不可欠なことから、経済産業省は金属鉱物資源に関するリサイクル促進の強化に言及。タングステンを含むレアメタルのリサイクルは、国をあげたプロジェクトになっています。
超硬スラッジに含まれるタングステンを再資源化するにあたり、問題となるのが粒径の小さいスラッジを回収するのに必要なろ過助剤です。シリコンやパルプといったろ過助剤を大量に含んだスラッジからタングステンを回収するのは手間がかかるため、多くのケースでは産業廃棄物として処理されています。
その問題を解決しようと有限会社サンメンテナンス工機が開発したのが、ろ過助剤を使用せずにスラッジを効率よく回収できる精密ろ過装置です。装置の内部に特殊な形状の不織布が組み込まれており、加工液に含まれるスラッジの大部分を捕集できるのが特徴。回収したスラッジはろ過助剤を含まないため、タングステンの再資源化を可能にしています。
超硬工具の製造や研磨をするにあたって、切削性能に影響する切削液のろ過は欠かせない工程です。一方で、すでに導入していたろ過装置では思ったようなろ過ができず、加工中の油がどんどん黒くなっていくことが課題となっていました。
その状態では切削性能を維持するのが難しく、さらに細かい超硬スラッジが機械の中に入ってしまうことで故障の原因にもなります。また、どんどん黒くなる切削液によって機械も汚れてしまうので、掃除やメンテナンスも大変で…。そういった経緯もあり、従来よりもろ過性能の高い装置の導入を決めました。
これまで使用してたフィルターは交換直後のフィルターが目詰まりしていない状態だと、きれいにろ過されないことに不満を感じていました。新しく導入した機器のフィルターはろ過効率が格段に向上していて、はじめからきれいにろ過できるのが良いですね。半年ほどでスラッジがぎゅうぎゅうに詰まり、交換するときには20kg、30kgと持てないぐらいの重さになるので、これだけスラッジを除去できたと思うとコスパも良く感じます。
機器から発生するスラッジを、ろ過する装置をクーラントろ過装置といいます。使用用途に応じて様々な製品があるので、『目的にあったクーラントろ過装置か』『スラッジの特性にあった装置か』を見極めましょう。