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サイクロンフィルターは、環境分野で使用されることが多い装置です。この記事ではサイクロンフィルターの仕組みや用途、特徴や種類についてまとめています。
サイクロンフィルターとは、気体や液体中に混じった粉末状の固体を分離するための装置です。単に「サイクロン」と呼ばれることもあります。
サイクロンフィルターは、ろ過対象物を高速回転させ、遠心力を発生させることで粉末状の固体を分離します。サイクロンフィルターは、シンプルな構造でありながら、高い分離効率を持ち、耐摩耗性や耐腐食性にも優れています。
サイクロンフィルターの粉体分離方法は、遠心力を利用したものです。 遠心分離機とほぼ同じ原理なので、遠心分離機を思い浮かべてみるとわかりやすいかもしれません。その仕組みは次のようなものです。
気体や液体を円錐形の容器に高速で流し込みむと、容器内で気体や液体が渦を巻き始めます。このとき、遠心力によって粉末状の固体は外側(容器内壁側)に押し出されます。その後、下部の開口部から濃縮されたダーティ液や捕集ダストなどの除去物質を排出。
上部からは清浄になった気体や液体を排出します。このような仕組みでサイクロンフィルターは粉体分離を行っています。
導入前に、自社の課題とろ過装置がマッチするかをチェックできるろ過テスト又は装置の貸し出しに対応している会社の中から、種類別におすすめの製品をご紹介。研削加工のろ過に課題を抱えている企業は、参考にしてみてください。
サイクロンフィルターの用途には以下のものが挙げられます。
サイクロンフィルターは、単に懸濁物やスラッジ、汚染物質、粉塵などを除去する目的だけでなく、粉体を粒度によってより分け、粒子径の小さい粉体だけを回収したい場合にも用いられています。
サイクロンフィルターには、さまざまな分類方法があります。ろ過対象物に着目した場合は、ろ過対象物が液体である場合に使用する「液体サイクロン」、気体である場合に使用する「乾式サイクロン(ガスサイクロン)」の2種類。
サイクロンの入口形状による分類では、「接線流入式」「半円周渦巻式」「全円周渦巻式」があり、捕集性能は全円周渦巻式が優れています。
ろ過対象物の流入方向による分類では、「接線流入式」と「軸流式」が、ろ過対象物の流出方向による分類では「反転型」と「直進型」があります。
サイクロンフィルターの数でみた場合は、一つのサイクロンで分離するタイプの「単一サイクロン」、複数のサイクロンを並べて分離するタイプの「マルチサイクロン」の2種類です。
「単一サイクロン」はリーズナブルですが、「マルチサイクロン」と比較すると分離効率は低めです。「マルチサイクロン」は分離効率が高いものの圧力損失も大きくなります。
サイクロンフィルターとは、気体や液体中に混じった粉末状の固体を分離するための装置で、その原理は遠心力を利用したものです。環境分野で利用されることが多く、懸濁物やスラッジ、粉塵などの除去に採用されています。捕集可能な粒子径や単位時間当たりの処理能力は、仕様により大きな違いがあるので、ろ過対象物の特性や目的、用途に合わせて適切な装置を選ぶことが大切です。
機器から発生するスラッジを、ろ過する装置をクーラントろ過装置といいます。使用用途に応じて様々な製品があるので、『目的にあったクーラントろ過装置か』『スラッジの特性にあった装置か』を見極めましょう。