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自社工場の課題を解決できる!クーラントろ過装置大全「くらろか」 » 遠心分離機の基礎知識

遠心分離機

遠心分離機とは

遠心力を使い性質の異なる液体を分離させる装置のことです。固体と液体や水と油のようにお互いに溶けあわない比重の異なる液体を分離させることができます。

遠心力を発生させる方法は、試料の高速回転です。回転する物体には、外向きに働く力が生まれます。これが遠心力です。人間が遠心力を実感できる簡単な方法は、バケツに水を入れて勢いよく振り回す方法。水がこぼれないのは、遠心力が発生しているからです。

この力を機械によって発生させるのが遠心分離機。重力より大きな遠心力を使えば、液体の比重差で分離する性質を短時間で引き出せます。

遠心分離機の仕組み

分離には2種類あります。「重力沈降」と「遠心分離」です。さらに遠心分離の種類は、「遠心沈降」と「遠心濾過」に分かれます。遠心分離機は、「遠心沈降」と「遠心濾過」を行う機械のことです。

水を入れたバケツを逆さますると、重力によって中の水はこぼれます。しかし、バケツを持って振り回して回転させると水はこぼれません。重力を遠心力が超えているからです。遠心力は重力の何倍もの大きさの力です。

バケツに入れた水に泥を加えた場合、「重力沈降」によってゆっくりと泥がバケツの底に溜まっていきます。この分離速度を上げるのが遠心力です。重力より大きな遠心力が加わることで、より早くバケツの底に溜まります。これが「遠心沈降」の仕組みです。

さらにバケツの底に砂が通らない小さな穴をあけて振り回すと、水だけを外に出して砂をバケツの中に残すことができます。これが「遠心濾過」です。

遠心分離機では、重力の数百倍から数万倍もの力を発生させます。遠心沈降機は、回転体の壁面に重液が形成され、その上に軽液が形成される仕組みです。それぞれを排出することで分離液を回収します。遠心濾過機は、回転体にろ過材を取り付け、それを通過させることで処理物の個体と液体を分離する仕組みです。

遠心分離機の種類

バッチ式・連続式

遠心分離機を使い方で種類分けすると「バッチ式」と「連続式」に分けられます。バッチ式は、「給液→分離→脱液→排出→洗浄」を1サイクルとして、都度完了させる方式です。一方連続式は、最初に給液したものが排出される前に再給液をする方式。1回ずつ完了させずに連続して処理を行っていきます。

縦型・横型・斜め型

形状での種類分けをすると、「縦型」「横型」「斜め型」があります。バスケットが上向きについているのが縦型遠心分離機、バスケットが横向きについているタイプが横型遠心分離機、バスケットが斜めになっているタイプが斜め型遠心分離機です。

上部排出型・底部排出型・吸引型・ボール型

排出方法による種類には、「上部排出型」「底部排出型」「吸引型」「ボール型」があります。遠心分離機の上部から固体を取り出すのが上部排出型、機械の下から自動で結晶を排出するのが底部排出型、ノズルから空気輸送で排出するのが吸引型、ボール型バスケットに切削屑を連続で投入して脱油された切子を連続で排出するのがボール型です。

遠心分離機のメリットデメリット

バッチ式・連続式

バッチ式のメリットは、洗浄できるので、様々な液体の濾過が可能なこと。バッチごとの管理によって、製品の回収が必要になったときなど、特定しやすいのもメリットです。反面、処理時間がかかります。大量生産・大量処理には向いていません。

連続式は、処理時間が短縮できるため、大量生産・大量処理が可能です。都度機械を止められないことから、臨機応変な対応は難しく、不良が起きた際もどの部分で起こったのかとレースが困難な点がデメリットとして挙げられます。

縦型・横型・斜め型

縦型は、省スペースで大容量の処理が可能です。ただし、高薬理活性、毒性の強いものに対しての封じ込めが難しく、異物混入リスクもあります。

横型は、バスケットの前だけをクリーンルームの中に設置するなど、異物混入を防止しやすいのがメリット。駆動部はクリーンルーム外になっても問題ないため、クリーンルーム内が省スペースです。ただし、機械全体のサイズは縦型より大きいのが特徴。最大処理量も少量なため、大量処理には向いていません。

斜め型は、腰を曲げずに作業ができるため、オペレーターの負担が軽減されます。横型と同様、異物混入リスクを低減可能です。サイズの大きさと大量生産に不向きな点も横型と似ています。

上部排出型・底部排出型・吸引型・ボール型

上部排出型のメリットは、結晶の全量を回収できることです。少量にも対応できるため、多品種少量生産に向いています。自動化には不向きで、異物混入リスクの高さはデメリットです。

底部排出型は、自動化が可能。異物混入リスクも軽減できます。全量回収は難しい点がデメリットです。

吸引型は、異物混入リスクが低い反面、結晶の性質によってパイプが詰まる可能性があります。多品種生産には向いていません。

遠心分離機についてのまとめ

遠心分離機の仕組みや種類について説明しました。

分離したいものの性質によって、「遠心沈降」「遠心濾過」のどちらで分離させるかが決まります。また、遠心分離機の種類ごとに、処理効率や異物混入リスク、省スペース性などが異なり、一概にどれが良いとは言えません。メリットとデメリットを踏まえて、処理内容に合った遠心分離機を選ぶことが大切です。

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最大200l/分と”大量の”ろ過ができる 遠心分離機
東都セパレーター工業
引用元:東都セパレーター工業公式サイト(https://centrifuge-tsk.com/)
ろ過できる主な材質
  • 超硬、セラミック、鋳物などの脆性材
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引用元:住友重機械ファインテック公式サイト(https://www.shi-ftec.co.jp/)
ろ過できる主な材質
  • アルミ、スチール、鉄などの金属素材
こんな工場向け
  • 金属素材をろ過したい
  • 一次処理として使用したい
  • 金属スラッジを除去したい
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