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研削スラッジとは、研削加工の際に工作機械から発生する微細な切粉。機械の作動中はスラッジが常に発生し続けるため、速やかに回収しないとクーラント液中にどんどん増えていくことになります。ここでは、そんな研削スラッジが引き起こす悪影響と、除去する方法についてまとめました。
スラッジがクーラント液中に混入すると、加工時に切削・研削工具を削ることになり、寿命が短くなってしまいます。また、スラッジがろ過フィルターを目詰まりさせるとクーラント液の量が減り、本来の冷却・潤滑効果がダウン。工具への負担が増加し、摩耗しやすくなることで、寿命の短縮化を招きます。
クーラントタンクの液面をスラッジが覆うと、クーラント液中への酸素供給がストップします。こうなると、液内の微生物や嫌気性細菌が増殖し、クーラント液が腐敗。悪臭が発生し、作業環境の悪化につながることがあります。
クーラント液中にスラッジが増えると、フィルターが目詰まりを起こしてろ過性能が低下。ろ過処理しきれないクーラント液がタンク中に溜まり、機械が自動停止することがあります。そのまま使い続けるとタンクからクーラント液があふれることもあるため、注意が必要です。
クーラント液にスラッジなどの異物が混入している状態だと、加工面の悪化やスクラッチ傷の原因となることがあります。とくに研削加工においてはスラッジや砥粒がスクラッチ傷を引き起こすケースが多いため、品質の低下を防ぐためにも異物の除去は重要です。
研削加工で発生したスラッジがクーラント液中に混ざると、別の加工でワークに付着し、直接傷をつけてしまう恐れがあります。錆びにくい材質であるアルミやステンレス等のワークであっても、液中のスラッジが鉄製であった場合、付着によってもらい錆びのような状態になることもあります。
クーラントタンクに堆積したスラッジは、定期的な清掃によって取り除く必要があります。研削スラッジが多いとそれだけ清掃の頻度も多くなり、従業員の手間や負担も増加。また、清掃時には機械を停止する必要もあるため、企業側の生産性ロスにもつながります。
研削スラッジによるトラブルやロスを低減するためには、定期的なメンテナンスも重要ですが、クーラントろ過装置を導入するという方法もあります。クーラントろ過装置であれば、日々発生するスラッジを効率よく回収・除去することができ、クーラント液を清浄な状態に保つ効果が期待できます。
機器から発生するスラッジを、ろ過する装置をクーラントろ過装置といいます。使用用途に応じて様々な製品があるので、『目的にあったクーラントろ過装置か』『スラッジの特性にあった装置か』を見極めましょう。